色名の表現法 4
たとえば、系統色名で「強い赤味の燈」と呼ばれる範囲には、「朱色」とか「柿色」などの固有色名があります。
どちらも同じ系統に属する色でありながら、実際の朱色と柿色では色の範囲に多少の違いがあります。
東京に住んだことがない人でも、「東京都中央区銀座」でだいたいの土地柄の見当がつけられます。
しかし、尾張町や有楽町の範囲となると、どうしても銀座界隈の地理や事情に通じていなければならないように、朱色と柿色の違いも、知る人ぞ知る、ということになるわけです。
基本色名や系統色名は、主として色の区別を表わす必要に応じて使われる言葉です。
しかし、固有色名の数や種類は、かならずしも色の区別を表わす必要性によって定まるわけではありません。
ほぼ同じ色を指す固有色名が幾つもあります。
同じような色に発色する顔料や染料が何種類もあったり、ある色から連想される花の色や果実の色が幾つもあったりするからです。