ニつの博覧会とその前後 4
やがて歴史の流れは一転して、舞台は西方に移ります。
1893年5月、シカゴでコロンブス世界大博覧会が開かれ、全国から3000万人近い人びとが見物にやってきました。
1830年ごろにはまだフロンティアにすぎなかったシカゴは、いまではメトロポリスとして、ニューヨークに次ぐ大都会となりました。
同時にシカゴこそは文明がフロンティアに建設した輝かしい成果でした。
しかし半面では、資本と労働の相剋がこの新しい巨大産業都市に暗い影を落としはじめていました。
これより先、1886年シカゴのヘイマーケット広場で、警官隊に爆弾が投げられるという事件が発生し、無政府主義者4人がその犯人として絞首刑に処せられました。
これがヘイマーケット事件です。
この事件は政府と企業を震憾させるとともに、労働者の闘争をいっそうかき立てました。
それから間もない1893年、シカゴ世界博のにぎわしさをよそに、アメリカは1870年代よりさらに深刻な恐慌に見舞われていました。
600以上の銀行が破産し、企業倒産も1万5000件に達しました。
とくに目立ったのは鉄道会社の倒産で、同じ年に営業路線3万マイルに及ぶ鉄道会社74社がつぶれました。