色名の表現法 5

固有色名の数や種類は色の区別を表わす必要性よりも、その色の意味や由来を表現したり、あるいはその色から受けるイメージを表わす必要性によって定まるのです。


一般に、赤、青……などの基本色名は、その色を指す場合以外にはほとんど使われない言葉です。


赤の意味や青の語源などを知る必要はまずないのですが、固有色名の場合は、その意味や由来を知らなければ、どんな色なのかわからないことが多いです。


青紫という基本色名の意味を調べなくても、青と紫の中間の色という見当はつけられますが、董色という固有色名では、すみれの花を知らないかぎり、どんな色なのかわからないのが普通です。


そして、言葉に固有の意味や由来があるために、その言葉のイメージによって使い分けられます。


董色という色名からは、可憐な野の花のイメージ、春の季節感、女性的でロマンチックな気分などが感じられます。


同系統の青紫色でも、桔梗色という色名になれば、自然に秋の気配が感じられるようになります。


色名の表現法 4

たとえば、系統色名で「強い赤味の燈」と呼ばれる範囲には、「朱色」とか「柿色」などの固有色名があります。


どちらも同じ系統に属する色でありながら、実際の朱色と柿色では色の範囲に多少の違いがあります。


東京に住んだことがない人でも、「東京都中央区銀座」でだいたいの土地柄の見当がつけられます。


しかし、尾張町や有楽町の範囲となると、どうしても銀座界隈の地理や事情に通じていなければならないように、朱色と柿色の違いも、知る人ぞ知る、ということになるわけです。


基本色名や系統色名は、主として色の区別を表わす必要に応じて使われる言葉です。


しかし、固有色名の数や種類は、かならずしも色の区別を表わす必要性によって定まるわけではありません。


ほぼ同じ色を指す固有色名が幾つもあります。


同じような色に発色する顔料や染料が何種類もあったり、ある色から連想される花の色や果実の色が幾つもあったりするからです。

色名の表現法 3

もちろんこれらの系統色名は、全部日本語の系統色名に置きかえることはできます。


しかし、この場合の色名は、色の人文的な記録というよりも、色の分類を表わす記号のような性格が強いです。


色を表わす言葉が、基本色名と系統色名だけでは、個別的な色の実感まで表現することはできないのです。


どうしても3)以下の表現法のような「固有色名」が使われることになります。


固有色名は、まさしく色彩文化の索引です。


ひとつひとつの色名には、かならず何かの由来があり、固有の意味があります。


ですから基本色名や系統色名よりも、ずっと限られた範囲の特定の色を表わすことが多いです。


地名にたとえれば、基本色名で呼ばれる色の範囲はせいぜい「東京都」とか、「大阪府」程度です。


系統色名ではこれが「東京都中央区銀座」というくらいに詳しくなるのですが、固有色名になると「尾張町」とか、「有楽町」などに相当する特定の範囲の色を指すようになります。

色名の表現法 2

1)の基本色名で間に合わない場合には、たいてい2)のように、「明るい・暗い」「濃い・薄い」「澄んだ・濁った」「赤味の・青っぽい」などの形容詞をつけて表現しようとすることが多いです。


このように、「基本色名」プラス「修飾語」で表わされる色の呼び方を、「系統色名」といっています。


系統色名では、「ごくうすい黄緑」とか、「暗い紫味の青」というようないい方ができます。


これらは日本人同士の間でなら、たいてい通じる色の呼び方といえるでしょう。


アメリカの国家規準局で設定された英米語の系統色名指示法によれば、ほとんどの色は、267種の系統色名で表わすことができるようになっています。


また、日本色彩研究所の系統色名の分類法では、230種類の色の区別ができます。


ただし、日本人の色名慣習に従って定められた日本色彩研究所の系統色名法では、主として専門家の表記上の簡便さを考慮して、実際には英語の系統色名が使われています。

色名の表現法

現在の日本人は子どもから大人に至るまで、いろいろな表現法で色を呼び分けています。


その表現法をまとめてみますと・・・


1)基本色名(複合的な色名も含む)。


2)基本色名に、明暗、濃淡、清濁、色味などの修飾語をつけて表わす呼び方。


3)絵の具などの着色材料の色名や、それらを混ぜ合わせた混色の状態で表わす呼び方。


4)よく知っている人工物、自然物の色(たとえばチョコレート色、草色など)で表わす呼び方。


5)流行色・コマーシャルなどの影響や、創作的な表現による呼び方(たとえば、ショッキングピンクとか、新幹線ブルーなど)。


・・・というように分けてみることができます。

役立つかもしれないです・・・その5

網点面積率

一定面積中に占める網点の面積を、比率(パーセント)で表したものです。

写真凸版や平版による印刷物などのように、網点を用いて中間調を得る場合には、色の濃淡を網点の大小で表現します。

しかし、網点の形やサイズは、使用するコンタクトスクリゾのスクリン線数*や種類によって異なるので、色の濃淡の度合いを示すには、色のある部分とない部分との面積比で表現すると都合がよいです。

画像がポジフィルムの場合には、網点の入っていない部分を0%とし、網点が完全につぶれて黒くなっている部分(ベタ部という)を100%とする。

ネガフィルムの場合には、その逆となります。

網点面積率が同じであれば、スクリン線数などとは無関係に同じ濃度を示します。

網点面積率を求めるには、網点面積率計(ドットメータ)を用いたり、濃度を測定して網点面積率に換算する方法があります。

また、ルーペを用いて、肉眼で判定することも多いです。

役立つかもしれないです・・・その4

管理用ゲージ、チャート

製版や印刷の工程を標準化するために用いられる、特殊パターンの形成されているフィルムのことです。

製版するときに原稿の横につけたり、印刷版の端に焼き込んだりして使用します。

露光量、解像力、網点の太り(ドットゲイン)、画線の太り、濃度、グレイバランス*をチェックするものなどがあります。

露光量や濃度をチェックする代表例にグレイスケールがあります。

これは、濃度が段階的に変化しているもので、印画紙やフィルム状になっています。

ドットゲインを知るには、同じ網点面積率でスクリン線数を変えて組み合わせたものがあり、ドットゲイン・スケールと呼ばれます。

解像力を知るためには、スターターゲット、解像力テストチャートなどが使われます。

これらの管理用ゲージ、チャート類は、いずれも製版や印刷で発生するトラブルを肉眼や濃度計を使って簡単に知ることができるように作られています。

管理用ゲージ、チャートは、用途に合ったものを選ぶことです。

それぞれの特長を理解し、使い方を誤らないようにしなければなりません。

そして、管理用ゲージ、チャートの評価基準を確立することが大切です。

役立つかもしれないです・・・その3

見当

一つの絵柄を印刷するために2色以上の刷り重ねが必要なとき、絵柄の位置を合わせる目印(マーク)にする細い線のことです。

紙の表と裏の絵柄の位置を合わせるときにも用います。

印刷物が仕上がって周囲を裁ち落としたとき、このマークが中に入っていないように仕上寸法の外につけます。

昔は複十字形のものを用い、形がトンボに似ていたのでトンボと呼ばれたが、現在では細い線を十字の形にして使います。

レジスターマークともいう。

カラー印刷物のように、複数の版*の刷り位置を合わせる必要のあるものは、各版のそれぞれ同じ位置にトンボをつけます。

各版のトンボが一致しない、すなわち絵柄がきちんと重ならずにずれて印刷されたことを"見当がズレる"、"見当が合わない"、"見当不良"などといいます。

トンボは、なるべく細い線で作ること。

また見当が合っているかどうかを見るときは、必ずルーペを使うことです。

見当の合わない理由としては、印刷機上での給紙方法、胴仕立て、用紙の湿度による伸縮など、主に印刷に関係する場合と、フィルム貼り込みやトンボ貼り込みの失敗などが考えられます。

役立つかもしれないです・・・その2

スクリン線数

製版用スクリンの目の細かさを示す数字のことです。

コンタクトスクリンやコンベンショナルグラビア用の白線スクリンの精粗を示すのに用いられます。

具体的には、スクリンの1インチまたは1cmの幅の中に入る線や点の数をスクリン線数とする。

網点階調を持っ、製版に使う中間フィルムや印刷物の場合も同様です。

我が国や諸外国では、1インチ中にある線や点の数をスクリン線数とすることが多い。

1インチ中に150の線や点がある場合には、1501inelinchと表せばよいが、省略して単に150線ということが多いです。

ドイツだけはメートルシステムで、1cm中の線数で示します。

網点階調の印刷物を作る場合、コンタクトスクリンのスクリン線数の多い(できる網点*は細かくなる)ほうが、原稿の調子をよく再現できるわけであるが、使用する版の形式や印刷用紙(被印刷体)、印刷機械の精度、印刷効果などを考慮して、スクリン線数を選ばなければならない。

不必要に細かいスクリンを用いても、必ずしも良い印刷物が得られるとは限りません。

一般に凸版*では150線以下が用いられ、グラビア*では150~175線が多く、平版*では150~175線が多く用いられます。

また、新聞や雑誌のように表面の粗い印刷用紙を使う場合には、粗いスクリン(65~80線)を用い、アート紙*のような表面の滑らかな紙の場合には、細かいスクリン(平版では175線くらい)が多く用いられます。

スクリン印刷に用いられる紗(しゃ)も線数で表します。

これも、スクリン線数と同じ単位で示します。

役立つかもしれないです・・・その1

コンタクトスクリン

連続階調を網点の大小に変換するのに使われる製版用スクリンのことです。

昔は、細く精度の高い黒線が直交したガラス製のスクリン(ガラススクリンまたは直交スクリンといった)を用い、フィルムと距離をあけて使ったが、高師で壊れやすいものでした。

コンタクトスクリンは、フィルムと密着して使うので、この名があります。

フィルム製で、ガラススクリンに比べれば安価で手軽です。

コンタクトスクリンは、透明なフィルム上に微小な点が規則的に配列されている。

この点は、中心部の濃度が最も高く、周辺部に近づくにつれて濃度が低くなっています。

コンタクトスクリンをリス型フィルムに密着させ露光すると、リス型フィルムの特性によって、与えられた光の量に応じた大きさの点を作ります。

これが網点です。

コンタクトスクリンの1インチの中にあるボケ点の数をスクリン線数といいます。

スクリン線数の少ないものほど粗いことになる。

コンタクトスクリンには、点で作られているもののほか、同心円、万線、波形、砂目状などに作られている特殊スクリンと呼ばれるものもあります。

マゼンタ色で作られているものをマゼンタ・コンタクトスクリン、灰色のものをグレイ・コンタクトスクリンといいます。

コンタクトスクリンは、キズ、汚れ、折りじわなどをつけないように、注意して取り扱うことが大切です。